東洋医学の診断法 寒熱 表裏

寒熱とは

「寒熱」は、患者さんの主観的な感覚によって表現された病気の状態です。患者さんが平時の快適な状態と違って、熱いと感じているのか、寒いと感じているのかで、病気の状態を判断します。

例えば、患者さんの主訴に合わせて観察によって顔が赤くのぼせていたり、発汗していたりすれば「熱」、蒼白であれば「寒」と判断して治療します。体温計で計測してもそれほど熱が高くない場合でも、患者さん自身が「熱い」と感じれば、それは熱となります。

逆に、体温計が高熱を示しても患者さんが「寒い」と訴えたり、手足が冷たかったり、震えていたりするときは寒と診断することができます。

治療としては「熱証」には冷やす処置が、「寒証」には温める処置が行われます。

表裏とは

病気が起こっている場所を示すときに「表裏」という概念が使われます。「表」とは身体の表面のことで、皮膚と考えることができます。

そして、その皮膚よりも内部が「裏」ということになり、臓器や消化管など皮膚以外は裏ととらえます。

例えば感冒では、表から裏に進行していくと考えられています。つまり、感冒は初め外から入ってくるので、表に病気があります。

しかし、こじれて気管支炎になったら感冒は裏に入ったことになり、さらに腹部や腸に入り下痢や腹痛が引き起こされると、その感冒はもっと深い裏に入ったと考えます。
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