東洋医学の症例 アトピー性皮膚炎2

乾燥タイプのアトピー性皮膚炎の患者さんの東洋医学での治療では、顔も含めて真っ赤になって、しかも皮膚は粉をふいている状態の方が多いように思います。この様な場合は、温清飲を処方します。

しかし、温清飲の場合は、黄連解毒湯が入っているにもかかわらず痒みが増すことが多いのです。これは一時的な場合とそうでない場合があるのですが、患者さんにしてみれば、「飲んで悪くなった」としか思えません。

そこで温清飲の変法で四物湯を少なくと黄連解毒湯を多目にし、さらに熱が強いのならば、石膏を加え、痒みが強いのならば苦参を加えたりします。引っ掻き傷が多く、細菌が悪化要因と思えば、荊芥連翹湯を加えます。
またのぼせが強いのならば桂枝を加え症状に合わせていきます。

基本は四物湯、黄連解毒湯、桂枝、人参の組み合わせです。桂枝はのぼせを抑えてくれます。顔の赤味を少しでもおさえてあげることは、患者さんにとって大切なことではないでしょうか。

四物湯には地黄という胃に堪えるものが入っているので、人参を加え胃腸障害を併発を抑えます。また長期に渡るアトピー治療で体力が落ちている場合、体を補う意味もあります。後天的な気の不足で、治る力も足りないと考えられるからです。
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