東洋医学の症例 アトピー性皮膚炎3

アトピー性皮膚炎の患者様の大半が女性の方です。男性の場合は「気にはなるが放置」、あるいは、「ステロイド軟膏を塗ってよくなればそれでいい」と思っておられるケースが多いように感じられます。

女性の場合は終わりの見えないステロイド治療に不安を感じたり、さらには、肌を綺麗にしたい気持ちが男性より強く、東洋医学での治療で漢方を希望される方が多いです。

女性のアトピー性皮膚炎の患者様では生理周期で症状の変化が出る方が多く、たいていは排卵過ぎ頃より悪化し、生理が始まるとアトピー性皮膚炎が少し治まる。この様な方は生理痛が酷かったり、生理不順であったり、また生理時にレバーの様な血の塊が出たり、いわゆる「瘀血」症状を呈していることが多く見られます。

この様な場合には、生理に関する症状を先に治せばアトピー性皮膚炎も改善することがあります。実際にアトピー性皮膚炎に桂枝茯苓丸などを使う場合もあります。「瘀血」を改善するだけで、アトピーの症状が意外にも改善されることが多いのです。

実際に、通常アトピー性皮膚炎に使う漢方以外から開始することもよくあります。具体的処方名では、通導散、加味承気湯桂枝茯苓丸などを基本にし、そこにヨクイニンや苦参などを加えていきます。
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