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東洋医学の症例 アトピー性皮膚炎2

乾燥タイプのアトピー性皮膚炎の患者さんの東洋医学での治療では、顔も含めて真っ赤になって、しかも皮膚は粉をふいている状態の方が多いように思います。この様な場合は、温清飲を処方します。

しかし、温清飲の場合は、黄連解毒湯が入っているにもかかわらず痒みが増すことが多いのです。これは一時的な場合とそうでない場合があるのですが、患者さんにしてみれば、「飲んで悪くなった」としか思えません。

そこで温清飲の変法で四物湯を少なくと黄連解毒湯を多目にし、さらに熱が強いのならば、石膏を加え、痒みが強いのならば苦参を加えたりします。引っ掻き傷が多く、細菌が悪化要因と思えば、荊芥連翹湯を加えます。
またのぼせが強いのならば桂枝を加え症状に合わせていきます。

基本は四物湯、黄連解毒湯、桂枝、人参の組み合わせです。桂枝はのぼせを抑えてくれます。顔の赤味を少しでもおさえてあげることは、患者さんにとって大切なことではないでしょうか。

四物湯には地黄という胃に堪えるものが入っているので、人参を加え胃腸障害を併発を抑えます。また長期に渡るアトピー治療で体力が落ちている場合、体を補う意味もあります。後天的な気の不足で、治る力も足りないと考えられるからです。

東洋医学の治療法 アトピー性皮膚炎1

いくら体に合わせた漢方薬を服用しても、悪い食事や悪い生活習慣を続けるのならば、絶対に良くはなりません。
食事や生活を改善出来ないのならば、漢方をはじめてもお金の無駄です。

漢方でもステロイドでも、自分の生活スタイルに合った治療方法を選択するのが肝心でしょう。生活習慣の改善と言っても、あまり無茶をしない、タバコを吸う方は本数を減らす、または止める、皮膚が感染しないように清潔にしておく・・・など普通のことです。

この先長い病気ですので、タバコを吸うなとは言いませんし、お酒も飲むなとは言いません。「言われていたので今夜はもうこれで帰ろう。」とほんの少し気にとめておけばよいと思いますよ。

食生活の注意点は、脂物や白砂糖を使ったお菓子、生クリームなどを控える、などですが、これはみなさん注意されています。意外と知られていないのには餅米なども良くありません。餅米にはヒスタミン分泌を亢進させる作用がありますので、アトピー性皮膚炎などは悪化します。ですからお餅だけではなく、煎餅も要注意です。

クリスマスでケーキを食べて悪化、正月に餅を食べてアトピーが悪化・・・する方は多いです。でも、それらも生きていく上での大切な楽しみの一つなので、少しずつ気を付けていけばよいのではないでしょうか。生活習慣の改善はあくまでも無理しない範囲で、ストレスにならない程度から徐々に改善していけばよいと思います。

漢方治療は個人、個人に合わせておこないます。ですから、同じ病気であっても、人によって処方が違う事があります。

アトピー性皮膚炎の場合、「乾燥タイプかジクジクタイプか」、「『気』は足りているのか、回っているのか」、「『血』の流れは良いのか」、などに注意して考えて漢方の処方を決めていきます。

ジクジクタイプのアトピー性皮膚炎では消風散(しょうふうさん)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などが、よく用いられる代表的な漢方処方です。
特に「消風散は夏に増悪するものによい。」と本にも記載されています。消風散は分泌物が多く、皮膚表面にカサブタが出来てしまう様なタイプによく使います。消風散は発表力が強いので、効果を表す時には一時的に分泌物が増えることがあります。

越婢加朮湯は消風散よりも、皮膚がパンパンに腫れて、いかにも皮下に水が溜まっている様に見えるタイプのアトピーに効果があります。

一方、ドライタイプのアトピー性皮膚炎の代表は、なんと言っても温清飲でしょう。
温清飲は不思議な処方で、熱性の四物湯と冷性の黄連解毒湯の一対一の合方になります。言ってみれば、熱いご飯に冷たいお茶をかけた様なものです。

四物湯は「血」の質や「血」の巡りを改善します。漢方では、皮膚の乾燥や赤黒いのは「血」の巡りや質が悪いと考えますから、四物湯は是非とも使いたい処方です。
しかし単独でアトピー性皮膚炎の様な熱を呈している状態に使うと、さらに赤味が酷くなったり、痒みが酷くなったりします。そこでその熱を冷ましてくれる黄連解毒湯を加わえるのです。もちろんこれは四物湯の温性作用を緩和するだけではなく、アトピー性皮膚炎自身の熱をも冷ましてくれます。

よくアトピー性皮膚炎で使われる荊芥連翹湯や柴胡清肝散などは、その構成成分に温清飲を含んでいます。すなわち、「温清飲プラス何種類かの生薬」で構成されています。
このことより、四物湯や黄連解毒湯、さらには温清飲がアトピー性皮膚炎の漢方治療の中心になっていることが分かると思います。

東洋医学の症例 アトピー性皮膚炎3

アトピー性皮膚炎の患者様の大半が女性の方です。男性の場合は「気にはなるが放置」、あるいは、「ステロイド軟膏を塗ってよくなればそれでいい」と思っておられるケースが多いように感じられます。

女性の場合は終わりの見えないステロイド治療に不安を感じたり、さらには、肌を綺麗にしたい気持ちが男性より強く、東洋医学での治療で漢方を希望される方が多いです。

女性のアトピー性皮膚炎の患者様では生理周期で症状の変化が出る方が多く、たいていは排卵過ぎ頃より悪化し、生理が始まるとアトピー性皮膚炎が少し治まる。この様な方は生理痛が酷かったり、生理不順であったり、また生理時にレバーの様な血の塊が出たり、いわゆる「瘀血」症状を呈していることが多く見られます。

この様な場合には、生理に関する症状を先に治せばアトピー性皮膚炎も改善することがあります。実際にアトピー性皮膚炎に桂枝茯苓丸などを使う場合もあります。「瘀血」を改善するだけで、アトピーの症状が意外にも改善されることが多いのです。

実際に、通常アトピー性皮膚炎に使う漢方以外から開始することもよくあります。具体的処方名では、通導散、加味承気湯桂枝茯苓丸などを基本にし、そこにヨクイニンや苦参などを加えていきます。

東洋医学の治療法 流派

未開の時代は、本能治療に始まり、加持祈祷のまじないをもって医療の本体としたのは世界の東西と同じです。
6世紀前半頃になると朝鮮半島を経由して、日本にも大陸の医学文化が入ってきましたが、その後飛鳥時代に遣隋使、奈良時代に遣唐使として渡った僧侶が、それぞれの時代の医書または医術を持ち帰り、直接中国の医学文化が大量に輸入されるようになります。

しかしこれらの医術は貴族の間だけに行われて、一般の民衆がその恩恵に浴するまでには至りませんでした。また平安時代になっても僧医による加持祈祷は依然として行われていました。

時代が下がって室町中期に田代三喜が、明へ留学して当時隆盛であったの李朱医学を修得し、北関東の古河でその医学を立ち上げ、一般民衆に施すことで当時の中国医学を日本に根づかせます。

その頃、たまたま下野国(現在の栃木県)の足利学校に勉学に来ていた京都の曲直瀬道三は、田代三喜の評判を聞いて師事し、京都へ帰り、私費を投じて現在の医学校に当たる学舎「啓迪院」を開き、多くの医生を育て、諸国へ派遣させたことによりその医術が急速に全国に不及するようになり、多くの民衆がその恩恵をうけることができました。

道三の医学は陰陽五行説を背景としながらも李朱医学の単なる焼き直しではなく、自家の経験に照らして独自に処方を駆使運用することで、日本人向きの簡約なものに改めました。

李朱医学がややもすると陥りやすい、観念論に立脚する空理空論を排して、臨床に則した簡易な治療法を提唱しました。日本の医療が宗教的な支配を離れて純粋な医学学問として成立したのは、田代三喜と曲直瀬道三の功績と言えます。

漢方には流派が存在します。「茶道や華道の世界じゃないんだから」と思われる方もいるでしょう。また、この事が漢方を難しくさせている要因でもあります。

漢方の流派は大きく分けると漢時代の方法論に基づく古方派と金元時代李朱学の治療方針に基づく派後世方派、そして両派の中間を行く折衷派に分けられます。一方これらとは別に現在の日本では中国本土で発展してきた中医学という中国医学の系譜もあります。

古方派と後世方派では、名称だけ見ると、古方派が初めに興り、次いで後世方派へと派生していったように見えますが、実際は逆で、後世方の医学が先になります。

各流派のどこが違うのかといえば、基本となる陰陽虚実の考えに違いがあります。古方派は陰陽虚実を病の進行を知る病位(ステージ)として捉え、それに基づいて病勢を探ろうとしますが、後世方派は陰陽を人体の中で相対する二面として捉え、その調和の破れが病的状態になると考え、それらを経絡や臓腑にあてはめて病因を論じようとするところが違います。

西洋医学と東洋医学の違い ①

西洋医学と東洋医学はどちらが良いか?

西洋医学とは証明の医学で東洋医学は経験の医学という違いがあるので、優劣はつける事は出来ません。
漢方を専門にしている医院や薬局の一部の方は西洋医学の批判をしている方がいますが、西洋医学の発展が無ければ多くの尊い命は救われていなかったでしょう。

例えば、臓器移植でも肝臓移植によって多くの尊い命が救われていますが、これは筑波山の土壌の中から発見された土壌菌によって免疫抑制剤のタクロリムスが創薬された事によって、移植後の拒絶反応を予防する事が出来、術後経過は飛躍的に良くなっています。

また、西洋医学の薬の中でも抗生物質、ステロイド、アスピリンの3種類は人類には欠かせない医薬品と言えます。


西洋医学と東洋医学の違い②

西洋医学と東洋医学の違い ②


自分では健康だと思っていたが、会社の健康診断で血圧が高い事が判り、言われるがままに病院で血液検査をしたところ、コレステロールや血糖値が少し高いのが判り、何も疑わずに毎月病院でお薬をもらっている。
真面目にお薬を飲んでも薬は減ることはなく増える一方の方は気をつけてください。

コレステロールのお薬はお肉を食べる為のものではありません。同じ様に糖尿病のお薬は甘い物を食べる為のものではありません。

人にとって重要な色々なホルモンはコレステロールから作られているのでコレステロールが低すぎるとホルモンは作れません。
経口糖尿病薬を飲めば数年でインシュリンが出る細胞に無理が生じ、インシュリン注射が必要になってきます。

お薬を飲んでるからと安心していると、後で大変な事になります。

病気が重くなった時の食事制限はストレスの塊でしかありませんので、軽いうちにキチンとした方が大変楽です。









東洋医学の治療法 一貫堂処方

 日本の伝統医学に、一貫堂医学があります。
大正から昭和の初期に活躍した森道伯によって考え出された漢方で、
「臓毒証」、「瘀血証」、「解毒証」と病人を三大体質に分類します。

臓毒証体質とは
臓毒証体質とは風毒、血毒、食毒、水毒の4つの毒が日々の生活の中で蓄積されて、病気が起こりやすくなっている体質です。本来は胃腸が強くて丈夫な体なのに、美食や運動不足、暴飲暴食などの不摂生によりいろいろな症状が起こります。例えば甘いものを食べるとアレルギーが悪化することがありますし、アルコールや刺激物のとりすぎで炎症がひどくなることがあります。

処方には防風通聖散、五積散があります。

防風通聖散は熱の症状が主で食毒による臓毒証体質の基本的な処方となります。体格は丈夫で便秘があり、腹部に皮下脂肪が多い、のぼせ、肩こり、浮腫み等をともなう場合に使います。

五積散は防風通聖散とは逆に冷えの症状が主で、体内に気、血、食、痰、寒の5種類の病毒が鬱積するのを治すという意味で名前がつけられています。

解毒証体質とは
解毒証体質とは、肝臓の解毒作用が弱いために毒素を溜め込みやすい体質です。臓毒証体質とは逆に虚弱体質で風邪をひきやすい、炎症を起こしやすい、皮膚につやが無く浅黒いなどの特徴があります。

解毒証体質は結核などの感染症にかかりやすいタイプで、結核感染を目標として予防にあたりましたが、現在では結核感染は生死にかかわる問題ではなくなりましたので、それに代わってアレルギー疾患を目標に薬を使われる機会が増えています。
結核菌であれ花粉などのアレルゲンであれ、外界からの刺激に反応しやすく、容易に炎症を起こすような体質者と解釈されています。

処方には柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯がありますが、三種類のどれも温清飲という処方の加減方になります。

温清飲は四物湯と黄連解毒湯の合方で、四物湯は血を増やし、血行を良くする働きがあり、黄連解毒湯は清熱作用があります。皮膚は潤いが無くカサカサしていて、炎症が長びいて慢性化している場合に使います。

柴胡清肝湯は温清飲に清熱、排膿の働きを強め、主に小児の慢性扁桃腺炎などの解毒証体質に使います。

荊芥連翹湯は温清飲に解表、排膿の働きを強め、耳、鼻、咽喉、肺、皮膚などの体表部の慢性炎症によく用いられます。

瘀血証とは
瘀血(おけつ)はふる血などとも呼ばれ、血液の流れが悪くなってそこに滞った状態で、炎症や化膿、痛み等の症状を引き起こします。
女性は出産や生理により多少の瘀血は必ずあります。そのほか瘀血になる原因としては打撲、外傷、手術や運動不足、高血圧や糖尿病などの慢性病があります。

難治性の病、慢性病はほとんど総てに瘀血が関係しているともいわれていて、症状としてはのぼせ、便秘、頭痛、イライラ、不眠、肩こり、動悸、生理不順などたくさんあります。

処方には通導散、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯などがあります。

その他にも、特に子供のアレルギーの場合、脾虚証を考える場合や、ストレスが関係する場合など、証をみながら処方を考えていきます。
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